こんにちは。
排尿トラブルがあると、不安でお出かけも楽しめないですよね・・運動等で軽減できることもあります
骨盤底筋群
骨盤底筋群とは、骨盤の底にある筋肉のことで、骨盤臓器(膀胱、子宮、直腸)を支え、正しい位置に保持したり、締まることで尿漏れなどを防いだり、緩むことで排泄をする働きがあります。
妊娠・出産で骨盤底筋群が損傷を受けると、骨盤臓器(膀胱・子宮・直腸)が落ちやすくなったり、加齢や閉経による女性ホルモンの減少で、さらに筋力低下や弾性の減少で、尿漏れや頻尿などのトラブルも生じやすくなってきます。
排尿トラブル
もともと女性の尿道は3~4㎝と短く、少しの腹圧でも尿漏れを起こしやすい構造に加え、骨盤底筋群の衰えで、さらに起こりやすくなります。
腹圧性尿失禁
咳、くしゃみ、笑う、重い物を持つなどの時に尿が漏れる。骨盤底筋体操や薬である程度の効果があります。
過活動膀胱(切迫性尿失禁)
突然、強い尿意を感じ、トイレまで我慢できずに漏らしてしまったり、トイレに行きたいと考えただけで尿がもれることもあります。トイレに行く回数が増えます。
間質性膀胱炎
頻尿で残尿感もあり、尿がたまってくると膀胱や尿道に痛みや不快感が増し、排尿すると症状が軽減することが多いです。トイレに行くまでに尿が漏れてしまうことは少ないです。
骨盤臓器脱(性器脱)
骨盤内にあるべき臓器(膀胱・子宮・直腸)が骨盤底筋群が緩み、支えられなくなるために、下がって出てきてしまう病気です。
- 膣から骨盤内臓器が脱出する
- 膀胱瘤>直腸>子宮の順に多い
- 膣断端や小腸も脱出することがある
膣から骨盤内臓器が脱出すると、膣に何かはさまったような違和感や圧迫感を感じたり、椅子に座るとボールの上に座っているような感じがします。
治療
治療は主に3種類あります。
1⃣ 骨盤底筋体操
毎日、骨盤底筋を鍛える運動をする。
2⃣ リングペッサリーの挿入
ペッサリーというリングを入れる方法です。
ペッサリーを腟の中に入れると、これに子宮が引っかかって下がってこなくなります。ペッサリーを取り出せば、元の状態になります。またペッサリーを入れていても、症状が進行する可能性もあります。
ペッサリー挿入時は、以下の事が起こることがあります。
- 腟のただれ
- 出血やおりものが多くなる
- ペッサリーに腟の肉がからみついて、取れなくなる
ペッサリーは、婦人科外来で短時間で挿入できます。ペッサリーを入れた後は定期的な診察が必要です。
3⃣ 修復手術
- 下がってきた子宮を摘出する。
- 伸びてしまった腟を一部切除し縫い縮める。
この手術は腟から行ないますので、開腹はしません。
手術時間は1時間半~2時間くらいです。
この手術は、腟を縫い縮めることで腟が狭くなってしまい、性交に支障が生じます。逆に、腟に余裕をもたせると再発しやすくなるという難点があります。